Archive for 3月 6th, 2011

秘湯への独り旅(板取・神明温泉)

日曜日, 3月 6th, 2011

「沈黙は金、雄弁は銀」

仕事を離れ、個人的な間柄において本音を話さないのは、相手を傷つけまいとする「優しさ」でしょうか、それとも自分が傷つかないよう避ける「弱さ」なのでしょうか。
本当に相手の事を思えば、衝突を承知で本音をぶつけるのが「優しさ」であるとは思いますが、無用な衝突を避けるのも「賢い」生き方には違いありません。

まあ、この御時世、本音を喋らない親子・夫婦は少しも珍しくはないのでしょうけれど。私にとっては本音を言ってくれない人間は、所詮そこまでの相手で御座います。なぜならば、私の健康が、かろうじて保たれているのも、ある意味で本音で話す人がいたからかもしれないので。

しかし、ここ最近、人に気を遣うのも、人に気を遣われるのも、少しばかり面倒に感じるようになってしまった私は、心の洗濯をする為に、山奥の「秘湯」へと一人で車を走らせたのでした。
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名古屋高速から東海北陸自動車道美濃ICへ走り、国道156号線を郡上八幡の方向へ向かいます。しばらくして新美濃橋を渡り洞戸方面へ県道81号線を走ると国道256号線に繋がりますこのまま行くと板取温泉なのですが、その手前500メートルほどのところに喫茶店風の店がありましたので、ここで少し休憩します。
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山奥にあるドーナッツ専門のお店。宮沢賢治の「注文の多い料理店」に出てくる「山猫軒」ではありませんが、深い趣があります。
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名物であるじゃがいもドーナッツの揚げたては、美味しいものでありました。気に入りましたので追加で5個ほど購入です。
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さてここが、今回の目的地であります「秘湯」こと「すぎ嶋」さんです。ウィキペディアによれば「秘湯は、主に山奥などの交通の便が悪い場所に存在する温泉のことを指す。読んで字の如く、秘=他人に知らせたくないような温泉のことである。」とあります。確かにここは交通の便が悪く、休日でありながら人気のない温泉です。、
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薪が積まれた入り口を奥へと進みます。
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基本的には旅館で、食事も出来るのです。
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名古屋からは130キロ、下呂温泉と距離的には同じなのですが
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観光地である下呂とは対照的に、全く静かな場所で御座います。
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建物は150年前の家屋を移築したものだそうです。立ち寄り湯の料金800円を払うと奥へと向かいます。
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人の気配が感じられません。
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薪ストーブのある待合室。
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水なども準備されています。山の水のせいか、美味しいです。
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お湯の質は、かすかに香る硫黄とヌメリ。そして不思議にドロリとする水です。
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真新しい洗い場
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脱衣所も非常に綺麗です。
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要約:神明温泉は平成7年200日かけて深さ1000メートルより35度前後のアルカリ単純泉を毎分180リットル湧出させています。
温泉自体は最近発見されたものなのですねえ。
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旅館のロビーにはこのような部屋もあります。
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クマの毛皮
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この空間はとても懐古調。
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公衆電話のボックス
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昔は立ち寄り湯がこの奥にあったのですけれど、この奥が客室のようです。
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体も温まったところで郡上方面へ向かいます。
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いろりのお宿 吉田屋
ここに美味しい鰻があると聞き、温泉のついでに寄ってみました。
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基本的には「お宿」なのですね。
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美濃錦
午前11時?午後2時
午後4時?午後8時
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これが鰻です。鰻の完全養殖が盛んになれば、もっと気楽に食べられるかもしれませんねえ。
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さて、この吉田屋さんの横にある
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食品サンプル屋さんも見学します。
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鮎の塩焼き
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パスタにバームクーヘン
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パフェ
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みかん
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店を出ると道沿いにいきなり岩が現れます。
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近づいてみます。
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階段がありますので、登ってみると
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白龍稲荷神社と書かれています。白蛇にまつわる場所とのことです。
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高さにして3階ぐらいです。
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岩を降りさらに道を進みます。
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すると細い路地がありました。
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このような路地の脇にも清流が流れています。郡上八幡は水のまちとも言われ、各所で水が流れておりますが、
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中には全国名水百選の第一号にも選ばれたという場所もあります。ここは名前を宗祇水と言うそうです。
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地元の人が野菜などをあらう場所なのでしょうね。
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小駄良川
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そろそろ帰ります。
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今回のお買い物はドーナツと
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しいたけ

何の予定も立てず、誰にせかされるわけでもなく、興味の赴くままにふらり旅。思い出を共感できる相手がいないというのは、ちょっとだけ寂しくもありますけれど、たまには独り旅と言うのも良いものですねえ。それでは。