「沈黙は金、雄弁は銀」
仕事を離れ、個人的な間柄において本音を話さないのは、相手を傷つけまいとする「優しさ」でしょうか、それとも自分が傷つかないよう避ける「弱さ」なのでしょうか。
本当に相手の事を思えば、衝突を承知で本音をぶつけるのが「優しさ」であるとは思いますが、無用な衝突を避けるのも「賢い」生き方には違いありません。
まあ、この御時世、本音を喋らない親子・夫婦は少しも珍しくはないのでしょうけれど。私にとっては本音を言ってくれない人間は、所詮そこまでの相手で御座います。なぜならば、私の健康が、かろうじて保たれているのも、ある意味で本音で話す人がいたからかもしれないので。
しかし、ここ最近、人に気を遣うのも、人に気を遣われるのも、少しばかり面倒に感じるようになってしまった私は、心の洗濯をする為に、山奥の「秘湯」へと一人で車を走らせたのでした。
名古屋高速から東海北陸自動車道美濃ICへ走り、国道156号線を郡上八幡の方向へ向かいます。しばらくして新美濃橋を渡り洞戸方面へ県道81号線を走ると国道256号線に繋がりますこのまま行くと板取温泉なのですが、その手前500メートルほどのところに喫茶店風の店がありましたので、ここで少し休憩します。
山奥にあるドーナッツ専門のお店。宮沢賢治の「注文の多い料理店」に出てくる「山猫軒」ではありませんが、深い趣があります。
名物であるじゃがいもドーナッツの揚げたては、美味しいものでありました。気に入りましたので追加で5個ほど購入です。
さてここが、今回の目的地であります「秘湯」こと「すぎ嶋」さんです。ウィキペディアによれば「秘湯は、主に山奥などの交通の便が悪い場所に存在する温泉のことを指す。読んで字の如く、秘=他人に知らせたくないような温泉のことである。」とあります。確かにここは交通の便が悪く、休日でありながら人気のない温泉です。、
薪が積まれた入り口を奥へと進みます。
基本的には旅館で、食事も出来るのです。
名古屋からは130キロ、下呂温泉と距離的には同じなのですが
観光地である下呂とは対照的に、全く静かな場所で御座います。
建物は150年前の家屋を移築したものだそうです。立ち寄り湯の料金800円を払うと奥へと向かいます。
人の気配が感じられません。
薪ストーブのある待合室。
水なども準備されています。山の水のせいか、美味しいです。
お湯の質は、かすかに香る硫黄とヌメリ。そして不思議にドロリとする水です。
真新しい洗い場
脱衣所も非常に綺麗です。
要約:神明温泉は平成7年200日かけて深さ1000メートルより35度前後のアルカリ単純泉を毎分180リットル湧出させています。
温泉自体は最近発見されたものなのですねえ。
旅館のロビーにはこのような部屋もあります。
クマの毛皮
この空間はとても懐古調。
公衆電話のボックス
昔は立ち寄り湯がこの奥にあったのですけれど、この奥が客室のようです。
体も温まったところで郡上方面へ向かいます。
いろりのお宿 吉田屋
ここに美味しい鰻があると聞き、温泉のついでに寄ってみました。
基本的には「お宿」なのですね。
美濃錦
午前11時?午後2時
午後4時?午後8時
これが鰻です。鰻の完全養殖が盛んになれば、もっと気楽に食べられるかもしれませんねえ。
さて、この吉田屋さんの横にある
食品サンプル屋さんも見学します。
鮎の塩焼き
パスタにバームクーヘン
パフェ
みかん
店を出ると道沿いにいきなり岩が現れます。
近づいてみます。
階段がありますので、登ってみると
白龍稲荷神社と書かれています。白蛇にまつわる場所とのことです。
高さにして3階ぐらいです。
岩を降りさらに道を進みます。
すると細い路地がありました。
このような路地の脇にも清流が流れています。郡上八幡は水のまちとも言われ、各所で水が流れておりますが、
中には全国名水百選の第一号にも選ばれたという場所もあります。ここは名前を宗祇水と言うそうです。
地元の人が野菜などをあらう場所なのでしょうね。
小駄良川
そろそろ帰ります。
今回のお買い物はドーナツと
しいたけ
何の予定も立てず、誰にせかされるわけでもなく、興味の赴くままにふらり旅。思い出を共感できる相手がいないというのは、ちょっとだけ寂しくもありますけれど、たまには独り旅と言うのも良いものですねえ。それでは。