新幹線に電光掲示板がついているのですから、車についていても面白いのではないかと考えANOBAR8を車載してみました。ANODOS社が意図しない利用方法であるだろうなと考えながらも、「とにかく試してみたい」という衝動に駆られた次第です。
ANOBAR8はフロントガラスに取り付けられるようなサイズや重さではありませんが、もしフロントガラスに設置しようとすると下記の保安基準に抵触するようです。この規制により最近ではレーダー探知機やドライブレコーダーなどのフロントガラスへの取り付けが困難になっているようで御座います。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokukokuji/saikoku_039_00.pdf
さて、ダッシュボードへの設置はどうなのでしょうか?直近の直接前方視界の技術基準情報によれば
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokubetten/saibet_029_00.pdf
自動車の前面から2mの距離にある鉛直面と2.3mの距離にある鉛直面内にありかつ、車両の左側面から0.9mの距離にある鉛直面と車両の右側面から0.7mの距離にある鉛直面内にある障害物を基準アイポイントから直接確認する。
とあり、横長ボディのANOBAR8にとっては、これだけの点を捉えれば、何も問題はなさそうです。
しかし、エアバッグの作動性やANOBAR8の表示モニタの光度による眩惑を考えれば、そのうち何らかの法律に引っかかる可能性が高いと言えますので、真似をなされる方は自己責任で宜しくお願い致します。私も今回、実験的に車載したのみで、すぐに取り外しております。
まずは電源投入。どうやって無線LANを構築しているかは割愛です。おそらく持ち歩けるタイプのWi-Fi端末を提供しているWiMAXやemobileで簡単に実現できると思います。
移動中はこんな感じです。
当初は車載する意味がないのではないかと思っていましたが、なかなかどうして、「これはすごく便利だね」という印象です。テレビなどの実況具合もリビングと変わる事はないですし、ニュースなどは聴覚よりも視覚で得ていた方が脳の処理としては断然に楽なのだなあと感じます。例えるならトンネルに入って騒々しくなった新幹線の車内で、電光掲示板を眺めているのと同じ感覚と思ったら良いです。
個人的には、ラジオは車内の空気と合わないテンションの広告が飛び出したりして疲れるし、いつスイッチを入れてもニュースが流れると言う訳にはいかないので聞かないですが、このANOBAR8は終始無音で過ごしたい時、それでいて何らかの情報を得たい時、そのような場合にこの有効なカー用品(ではないですが)と言えるでしょう。
しかし反面、運転手自身が運転中に見る事が大変に難しく、信号待ちや待ち合わせの停車中などでチラッっと見れる程度とわかりました。テレビを見るのとは感覚が違って、文字を読む為には一定時間の凝視が必要のようです。それらの点を踏まえれば、結論的には、これは自動車に搭載した場合にはあくまで同乗者向けの道具となりそうです。それでも例えば、同乗者が見るような環境はいくらでもあり、バス・タクシー・電車などが浮かびます。こういった状況下であればリビングでの活躍と変わらず、全く便利な道具だと言えます。今回は私の奇妙な実験にお付き合い頂き、真に有難う御座いました。それではまた。オートマタ。